オークションでパイオニアのスピーカー・ユニットを入手出来たのでスピーカーを製作してみる事にした。
<落札した物>
- ウーファー;PIONEER PW-A21、20cm、30〜4000Hz、91dB/W、アルミダイキャスト2.6kg。(2個)
- スコーカー;PIONEER PM-50、ドーム型、チタンダイヤフラム採用、500〜6000Hz、92dB/W、インピーダンス補正回路入り2kg。(2個)
- ツィーター;PIONEER PT-50、ドーム型、チタンダイヤフラム採用、2500〜25kHz、92dB/W、アルニコマグネット、1kg。(2個)
- ネットワーク;CORAL製ネットワーク基盤(ハイパス、ローパス各2)、FOSTEXコイル(3.5mmH, 1.8mmH各2)、FOSTEX
CMフィルムコンデンサ(10μF6個、15μF2個)、端子板等。
同一会社の製品で能率もほぼ同じなのでアッテネーターは使わないでいけそうだ。抵抗値は全て8Ω。
全部で5千円位とかなり安く落札出来て、しかもネットワーク部品も頂いた。有り難や・・・ 最初ネットワーク部品、足りない物は買わないとと思っていたが、届いた物を見るとこれだけで足りそうだ。
<ネットワークの確認>
ネットワークは、以前このユニットで使用した物の様で、ウーハー〜mid間は700Hz位のクロスオーバー周波数で12db/oct。ウーハーのコンデンサ容量が10μFで足りないので並列で追加して25μFにする。mid〜ツィーター間はコーラル製の市販のハイパス・ローパス・ネットワーク基盤が使われていて12db/octだがクロスオーバー周波数は不明。まあでも、そんなに変な所でクロスしている事もないと思うので、今回はネットワークはそのまま使う事にする。以上の写真は前の持ち主の方が送ってくれた画像です。
<箱の計算>
スピーカー作成の計算が簡単に出来るインターネット上のサイトを見つけた→
スピーカー設計プログラム
スピーカーユニット(ウーファー)の特性値を入力すると推奨の容量、周波数特性、バスレフポート寸法、定在波を考慮した箱寸法を算出してくれる。容量の変更やポート形状の変更も好みに応じて行う事が出来る。こんなに簡単に出来るなんてラクチン・・・(^^;
- 計算1・初期値;ウーファーユニットの特性値を入力(F0=30Hz, A=8.47cm, mo=22gr., Q0=0.35)して初期値を計算すると、容量が52.3L,
ポート共振周波数=34Hz、ポート形状φ8.66*20.7cm、Wide*Hight*Depth=27.4*63.4*31.6cmとなる。密閉型の場合は100Hz程度からダラ下がりとなる。
- 計算2・見直し(1.容積小型化、2.縦横比の変更)を行う。ユニットの取り説に「30L程度の容量でも十分な低音が再生可能〜」と書いてあったので容量を33Lとする。板取等や見栄えを考えて縦横比を変更し、又バスレフ・ポートが長くなったので天板に開口部を設けるチムニーダクト・バスレフ型とする。周波数特性30〜25000Hzをカバー。
<最終計算結果>
最低共振周波数(fo)-----30[Hz]
実効振動板半径(a) -----8.47[cm]
振動系等価質量(mo)----22[g]
等価Q----------------0.35
エンクロージャ容積(V)---33[l]
ポート共振周波数(fob) ---34.16[Hz] 1.14(係数)
(円形)開口直径7.7cm × →長さ27.11l
(角形)開口幅6.8 cm × 開口高 6.8cm →長さ26.88l
吸音材やユニット分の容積加算-----+7% →35.31 [l]
内径寸法: 幅26cm × 高41.75cm × →深さ32.53cm
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***ポートに関する情報*
ポート開口半径: 3.84 [cm]
ポート開口面積: 46.20 [cm2]
ポート内容積 : 1.24[l]
実効振動板面積に対するポート開口面積: 20.50%
バッフル面積に対するポート開口面積: 4.26%
Qbが10になる音量レベル: 97.47dB
長岡鉄夫大先生の計算式による共振周波数:34.16[Hz]
ポート外容積概算: 1.59[l]・・・円形ポート材厚0.5cmとして加算
ポート外容積をエンクロージャから差し引いた場合の共振周波数: 35.01[Hz]
ポートのみの共振周波数(気柱共振):512.52[hz]
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***エンクロージャに関する情報***
エンクロージャ寸法比チェック
4.00 : 6.42 : 5.00 ≠ 4 : H : 5
3.11 : 5.00 : 3.90 ≠ W : 5 : 4
エンクロージャ定在波予測
横(26.00cm)による定在波:661Hz 1323Hz 1984Hz 2646Hz
縦(41.75cm)による定在波:412Hz 824Hz 1235Hz 1647Hz 2059Hz 2471Hz 2883Hz
奥(32.53cm)による定在波:528Hz 1057Hz 1586Hz 2115Hz 2643Hz
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<箱の作成>
計算を元に板取りを考えて設計する。大体サブロク一枚から取れる様に(ちょっとはみ出したが)出来た。板はMDFの18mm、サブロク(1820*910mm)一枚+MDF12mm、300*450mmを使用。東急ハンズでカットを依頼。流石に円カット等あるので当日は出来ず、配送を依頼、2〜3日で出来てくる予定である。板代が\4400+\290とカット代で9千円位、今回円カットや穴開けがあるので結構カット代が高くなった。同時にグラスウールを購入(\300)した。(以上5/26)