時は１９８0年、ホンダは長らく遠ざかっていた５００ＣＣＷＧＰになんと４ストロークで再挑戦した。その名もNR500。９０°V4+8バルブ、オーバルピストンのエンジン、モノコックBODYに小径16インチホイールを採用した画期的なレーサーだった。その後主力は２ストのNS500へと移り、台頭著しいF.スペンサーの活躍により1983年、YAMAHAのケニーロバーツとの歴史に残るデットヒートの末、栄冠を手にする事が出来た。丁度その頃NR500のイメージで衝撃的デビューを飾ったのがVT250Fである。

　前16インチ/後18インチ、90°V2DOHC8バルブ水冷エンジンを搭載し、丁度その頃人気を博していたYAMAHA RZ250に対抗する形で発売された。そのころ大学生だった私は”おお！俺も４ストで２ストに挑むぜ！”って感じで一人で盛り上がりこのバイクを購入した。(^^;
　ちなみに始めて自分で買った新車のバイクであった。当時の価格で３９万８千円だったと思う。買ったのは黒色で、アンダー＆シートカウル付き。シートカウルの横に当時のトップバイクCB1100Rを真似てカッティングシートで大きな”Ｒ”の字を切り抜き貼った。なかなかいい仕上がりだったと思うが・・　モトライダー誌の愛車紹介コーナーに投稿し原稿料（３千円だったか？）を貰った事もあったなあ。

　このバイク、特長である小径ホイールと高回転型のエンジンの走りはそれまでの常識をくつがえす物だった。ジャイロ効果が少ない為、やたらとコーナーで寝かせやすいコーナリング特性、どこまでも回ろうとするエンジン。当時オーバーレブでエンジンを壊した人が多かったらしい。
　俺も一回峠でRZと遭遇し、追いかけてる途中でシフトが抜けてオーバーれぶ、その後エンジンの吹けが悪くなり”あちゃ〜、やってもうた・・”と思ったが単なる燃欠であった。まったくタイミング良く燃欠になるもんだ。(^^;