Technics SL-1301】

 1977年製のテクニクス製アナログレコードプレイヤー。クオーツロック・ダイレクトドライブ、フルオート。重量9.3kg。カートリッジEPC-270C。詳細はこのページから。 テクニクスの定番アナログプレイヤーで超ロングランを続けるSL-1200シリーズの兄弟機種。ちなみにいまでもこのシリーズは年間10万台世界中で売れているそうだ。テクニクスの紹介ページはこちら。 
 昔プレイヤーで好きだったのがテクニクスのこの形とDENONの形。今回思わずその憧れから落札してしまいました。フルオートの機種であるが現在フルオートが正常に機能しないとの事で500円で入手。送料の方が高いんですけど・・・(^^; ちなみにカートリッジも純正品が付属。これも未だ交換針を売っているらしい。こちらで紹介されています。
 到着して確認してみるとトーンアームが正確な位置に降りてゆかない。33センチ(LP)をセットしても中央近くまで移動してしまったり・・・ リンク部分に問題有りと考え、早速分解してみました。

ターンテーブルを外してカバーの鉄板を外すとこうなる。この鉄板は良く鳴くので本当は対策した方がよさそう。中央のDDモーターのコイルやトーンアームベースだけ下のシャシに固定されている。
底面のカバーを外した所。モーターが回るとカム状の円盤が回りリンク機構を動かす。シャシとカバー間にはゴムシートが挟んであり鳴きは少ない。インシュレーターを外すと上下のシャシが分離出来る。
インシュレーターを外すと上側の軽いアルミ合金のアッパーデッキが外れる。メインシャシに固定されているのはこれだけ。構造的にはインシュレーターとアッパーシャシが直接繋がり、アッパーからスプリングでロアシャシがぶら下がる形になっており、結構振動による針飛びには強いと感じた。
これがレコード盤径をセットするつまみにリンクする部品。今回軸部がグリス固化により動きが固くなっていてうまくサイズをセットした位置まで動かなかった。本当はバラして綺麗に掃除して新しいグリスを付けるのが良いが、バラすと元に戻らない気がしたので、今回は軸部にリレークリーナーをスプレーしてティッシュで吸い取り、モリブデングリスを見える所に塗るだけにした。これで大分動きが良くなりフルオートの機能が回復して、サイズセットが効く様になった。
ターンテーブル裏。バランス取りされている。中央部分にマグネットが入っている。回りにある水玉がストロボ用の模様。現在の物はこれが上面側に来ている。
アッパーシャシ裏。軽い金属製。裏にリブが入っている。色々と部品がくっついてます。
添付カートリッジ。テクニクス270C。まだ交換針が売られているのが凄い!
回転確認用ストロボ。ターンテーブル裏の模様が鏡で反射してこう見えます。結構綺麗。
終了!ちなみに右側のつまみは奧からリピート回数セットつまみ、レコードサイズセットつまみ、スタートストップつまみ。トーンアームは高さ調整は出来ない。回転数は33/45回転。

 さて、修理も完了し良く見てみると到着した物は年代にもかかわらず、丁寧に扱われていた様でかなり程度が良い。ダストカバーにもカバーがかかっておりキズも無し。ターンテーブルは流石テクニクスのDD、瞬時に定速に達するのには感激。昔はクオーツロックの機種は音が悪いとか言われていた気がするけど、実際問題実家にあるトリオのプレイヤーはクオーツロックじゃなかったから回転がずれてちょくちょく修正の必要があったのに比べると気持ちが良いし精神的に良い(^^; なお、手前の小窓の中にストロボがあり、定速を確認出来る様になっている。ボディは上面が金属の鋳物製で足の部分とダイレクトにネジ止めされ、上面のシャシにバネを介してモーターとトーンアームが固定されたメカシャーシがぶら下がっている。振動の影響を受けにくい構造と見た。薄型だが結構重い。それとトリオのプレイヤーとは違いターンテーブル裏に直に磁石が取り付けられて回転する様になっている。モーターが別個にあるのと比べるとどちらがええんやろか・・?初期のフルオート機なので、機能はオートプレイ、オートリターン、リピートくらいだ。後の物は曲選局まで出来たらしいけどね。昔はこのフルオートの動きを見て”凄い!”と思って憧れた物だった。
 【試聴】
 久しぶりにレコードを入手し試聴。レコードはオークションでも格安で売られているが送料も掛かるのでまとめ買いで無いとCDより高くついちゃうかも・・・ しかしCDではなかなか入手出来ない物が割と容易かつ安く入手出来るのが利点。今回買ってみたのは【BILLY JOEL / イノセント・マン (新品未開封)】、【J・ガイルズ・バンド / フリーズ・フレイム】、【ポール・デイヴィス / アイ・ゴー・クレイジー】、【TANYA TUCKER / タニヤ・タッカー】 の4枚。全部100円。程度は結構良かった。久しぶりにレコードを聴いてみるとCDに慣れているせいか片面の演奏時間が短く感じられる。音は思ったより良く感じる。レンジの詰まった感じはあまりしない。同じソースで比べた訳じゃ無いけどちょっと見直した。ただ新品のレコードは問題無いんだけど、古いレコードは見た目は綺麗でもプチノイズが結構出るし、高域部分で音がちょっと割れる様な感じを受ける。これはどうも音溝にゴミがこびりついているらしく、古いレコードを再生する時はプレイヤー側よりもレコードのメンテをしっかりしないと駄目な様だ。確かに実家のプレイヤーでも同じ様な感じを受けた。レコードのクリーニングについて調べてみると専用のクリーナーもあるが、水洗いするのが効果的だとか。今度やってみよう。