【PIONEER_S-X3U】

s-x3

 かなり古いPIONEERのスピーカー。高さ18.5、奥行き10.5、幅11.5、重さ約3.3キロ(1本)。
 エンクロジャー(箱)はずっしりと重い金属鋳物製で出来ている。角が掛けている所もあり脆い材質の様だが、叩いても箱鳴りがせず音には良さそう。特性値は6.3オーム、25W定格、MAXは50W。シリーズとしてこの他にも数種類が存在した中で最小機種だったと思う。

S-X3
 ユニットは表のインナーHEXを外すと簡単にはずせる。ツイーターがソフトドーム、ベースは厚い金属板。ウーハーは鉄フレームにゴムパッキンが張られておりその表側から外装の金属板+メッシュカバーと共締めされている。うむむ、なかなか真面目に作ってありますよ。埃が溜まっていたので簡単に掃除。箱の厚さは5mm位だろうか?剛性が高いので頑丈そうだ。そのせいか吸音材は最小限(吸音材は定在波を吸収する)。箱の一部に割れが生じていたのでエポキシ接着剤で埋めておいた。

 ウーハー、ツイーターともマグネットは大きく、コーン紙も弾くと良い音である。エッジは紙製なので劣化の心配は無い。ネットワークもLCRで基盤でちゃんと作ってある。時代もあるだろうが、当時のオーディオ製品への力の入れ方を感じる。以前落札したデンオンのスピーカーは吸音材も入っていないし、2WAYに見せかけたフルレンジだしフロントパネルはプラスチックだし、酷かった。あれに比べると雲泥の差。どうもデンオン製品には良い思い出が無い。

試聴・・・流石に低音は出ないものの、音量を上げても音が割れる事も無く素直な音質である事に感心。以前落札したデンオンのSPは箱鳴りが凄くて音に余計な響きが付いており、一見低音は出ているのだが、音に変なクセがあるのとは対照的だ。現在ドルビー・サラウンドのリア用スピーカーとして使用しているが、サラウンドの効果音は音量が急に大きくなる事があって、その場合でも割れない綺麗な音を出してくれるタフなスピーカーだ。ミニチュアSPとして持っているだけでも楽しいSPである。